毎日をポジティブに変える!多忙な中でも続けられる「良いこと探し」習慣
多忙な毎日を送る中で、つい目の前の業務や課題に追われ、心のゆとりを失いがちになることは少なくありません。ポジティブでいたいと思っていても、「そんな暇はない」「疲れていてそれどころではない」と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ポジティブ思考は、何も特別な時間や労力をかけなければ身につかないものではありません。日々のほんの小さな瞬間に意識を向けることで、自然とポジティブな視点を育むことができる習慣があります。それが、日常の「良いこと探し」です。
今回は、多忙な方でも無理なく続けられ、毎日を少しずつポジティブに変えていく「良いこと探し」の習慣について、具体的な実践方法と習慣化のコツをご紹介します。
「良いこと探し」とは?なぜ忙しいあなたに有効なのか
「良いこと探し」とは、文字通り、日々の生活の中で起こった小さな出来事や、当たり前すぎて見過ごしがちなことの中に、感謝できることやポジティブな側面を見つけ出すことを意識的に行う行為です。
なぜ、この習慣が多忙な方にとって有効なのでしょうか。それは、私たちの脳には「ネガティビティ・バイアス」という傾向があるからです。これは、危険から身を守るために、ネガティブな情報や出来事に強く注意が向きやすいという脳の働きです。しかし、これが現代社会では、些細なミスや問題点にばかり目が行き、良い点や成功を見落としがちになる原因にもなります。
「良いこと探し」は、このネガティビティ・バイアスに対抗し、意識的にポジティブな側面に注意を向けることで、脳の配線を少しずつ変えていくトレーニングのようなものです。良いことに焦点を当てる練習をすることで、自然とポジティブな情報を受け取りやすい心の状態を作り上げていくことができるのです。
そして何より、「良いこと探し」は、まとまった時間を必要としません。通勤中、仕事の合間、帰宅後など、1分でも数秒でも、日々の隙間時間に行うことができます。これが、多忙な方でも継続しやすい最大の理由と言えるでしょう。
多忙な毎日で実践する「良いこと探し」の具体的なステップ
では、具体的にどのように「良いこと探し」を日々の生活に取り入れていけば良いのでしょうか。ここでは、すぐに実践できるステップをご紹介します。
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「いつやるか」を決める(トリガー設定) 多忙な中で新しい習慣を始めるには、「いつ、何の後に行うか」というトリガーを設定することが有効です。「朝食の後」「通勤電車に乗ったら」「ランチタイムの終わりに」「寝る前」など、既存の習慣と結びつけると忘れにくくなります。最初は1日1回、特定のタイミングで試してみましょう。
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「どこで」探すかを意識する 「良いこと」は、特別な出来事である必要はありません。
- 自分自身について: 今日頑張ったこと、できたこと(たとえ小さくても)、自分自身の良い点。
- 周囲の人について: 同僚が助けてくれたこと、家族が用意してくれた食事、友人とのたわいない会話。
- 環境について: 晴れた空、美味しいコーヒー、静かな時間、便利なツール。
- 当たり前の日常について: 温かい布団で眠れること、食事を摂れること、健康であること。 ネガティブな出来事の中にも、「そこから何を学べたか」「どう乗り越えたか」といったポジティブな側面を見出す練習も有効です。
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見つけた「良いこと」を記録する(推奨) 見つけた「良いこと」を心の中で思うだけでも効果はありますが、記録することでより習慣化しやすくなります。
- 手軽さ重視なら: スマートフォンのメモ帳、ボイスレコーダー、ToDoリストアプリの完了項目に追記。
- 振り返り重視なら: 小さなノート、専用のジャーナル、PCのテキストファイル。 「今日良かったこと:〇〇さんが手伝ってくれた、ランチの定食が美味しかった、移動中に好きな音楽を聴けた」のように、箇条書きで簡単に記録します。最初は1つでも構いません。慣れてきたら2つ、3つと増やしてみましょう。記録することで、後で見返したときにポジティブな出来事がこんなにあったのかと実感でき、継続のモチベーションに繋がります。
「良いこと探し」習慣を継続させるためのヒント
新しい習慣を忙しい中で定着させるには、いくつかの工夫が必要です。
- スモールステップで始める: 最初から完璧を目指さないことが重要です。「毎日3つ記録する」が難しければ、「まず1つ心の中で見つける」から始めましょう。習慣のハードルを極限まで下げることが継続の鍵です。
- 完璧主義を手放す: 記録し忘れた日があっても気に病む必要はありません。「今日はできなかったけれど、また明日からやろう」と気楽に構えましょう。大切なのは、完全にやめてしまわないことです。
- 効果を意識する: 「良いこと探し」を続けることで、自分の気分や周囲への見え方がどう変わったか、意識的に振り返ってみましょう。ポジティブな変化を実感することが、継続の大きなモチベーションになります。
- 時間帯を柔軟にする: 設定したトリガーのタイミングでできなくても、後からでも構いません。寝る前に1日の良かったことをまとめて思い出す、というのも有効な方法です。
- 達成目標を設定する: 例えば、「まずは2週間、寝る前に良かったことを1つ心の中で思い出す」といった具体的な目標を設定します。達成したら、自分にご褒美を用意するのも良いでしょう。記録している場合は、「1週間続けられたら好きなデザートを食べる」といった簡単なご褒美でもモチベーション維持に役立ちます。
習慣化の効果測定と目標設定のヒント
「良いこと探し」のような内面的な習慣の効果を定量的に測定するのは難しいかもしれません。しかし、いくつかの方法でその効果を感じ取り、継続の励みにすることは可能です。
- 記録を見返す: 記録を続けている場合、週に一度や月に一度、過去の記録を見返してみましょう。「意外と良いことがたくさんあったな」「こんなことにも感謝できていたんだな」といった発見があり、ポジティブな感情が湧きやすくなります。
- 気分の変化を記録する: 「良いこと探し」をする前と後で、自分の気分がどう変化したかを簡単な言葉(例: 「少し前向きになった」「心が穏やかになった」)で記録しておくと、習慣の効果を実感しやすくなります。
- 主観的な評価: 漠然とでも構わないので、「最近、以前より物事の良い面に目を向けられるようになった気がする」「ストレスを感じることが少し減ったかもしれない」といった主観的な変化に気づくことも、重要な効果測定です。
目標設定としては、最初は「毎日続ける」よりも「週に〇回行う」「〇週間継続する」といった行動の習慣化自体を目標にするのが現実的です。慣れてきたら、「1回あたり〇個の『良いこと』を見つける」といった質的な目標や、「1日の終わりにポジティブな気持ちで眠りにつく日を増やす」といった気分に関する目標を設定するのも良いでしょう。
まとめ
多忙な日々の中でポジティブ思考を習慣化することは、決して容易なことではありません。しかし、「良いこと探し」のように、短時間で、特別な準備なしに始められる習慣であれば、忙しい方でも無理なく日々の生活に取り入れることが可能です。
最初は意識的に行わなければ難しいと感じるかもしれませんが、継続することで、私たちの脳は少しずつポジティブな側面に注意を向けやすくなっていきます。日常の小さな良い点や感謝できることを見つける習慣は、知らず知らずのうちに心のゆとりを生み出し、ストレス軽減や幸福感の向上に繋がっていくはずです。
今日から早速、寝る前に一つだけ、あるいは通勤中に一つだけ、あなたの身の回りの「良いこと」を探してみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、あなたの毎日をポジティブな方向へとシフトさせていくきっかけになるかもしれません。